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コーヒーって健康にいいの?! | ヒトリゴト

2012/11/18
コーヒーには様々な健康効果を期待できることが明らかになってきた。肌のシミ予防やメタボリックシンドロームの改善、抗炎症作用など幅広い。コーヒーに含まれる成分や最新の調査結果、飲み方の注意点などを専門家に聞いた。

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コーヒーの主な健康効果

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紫外線によるシミを防ぎ、アンチエイジング

効果を期待できる成分はポリフェノール 1杯に200〜300mg
コーヒーの有効成分はクロロゲン酸類というポリフェノールの一種。「飲むと30分から1時間ほどで体内の抗酸化力を高める」(近藤教授)

脂肪燃焼パワーを高める

効果を期待できる成分はカフェイン 1杯に約100mg
ラットの実験で、カフェインを投与して運動を加えると、脂肪燃焼パワーが高まることがわかった。「カフェインをとると1時間後には脂肪が燃えやすい状態になる」(鈴木教授)

病気の予防・改善にも役立つカフェイン(研究段階を含む)

● 血管収縮作用:偏頭痛の段階で飲むと、痛みの緩和に
● 鎮痛補助作用:総合感冒薬(※1)に用いられる
● 炎症を抑える作用:C型肝炎(※2)の抑制
● 脳神経保護作用:アルツハイマー(※3)予防

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※1 総合感冒薬:頭痛・発熱・のどの痛み・筋肉の痛み・咳・くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどといった、いわゆるかぜ症候群(普通感冒)の諸症状の緩和に効果を出すように解熱剤(解熱鎮痛剤)と鎮咳去痰薬・抗ヒスタミン剤などを複合した医薬品。
※2 C型肝炎:C型肝炎ウイルス(HCV)に感染することで発症するウイルス性肝炎の一つ。HCVは血液が主な感染経路で、かつては輸血による感染が多かった。ディスポーザブル注射器の普及により現在においては先進国では検査体制が確立したためほとんど見られない。現在は針刺し事故や刺青、覚醒剤注射の回し打ちなどが主である。性行為や母子感染率は少ない。
※3 アルツハイマー(型認知症):認知機能低下、人格の変化を主な症状とする認知症の一種。日本では、認知症のうちでも脳血管性認知症、レビー小体病と並んで最も多いタイプ。

コーヒーの効果で毎日健やか

コーヒーに含まれる注目成分は2つある。一つ目がポリフェノールの一種である「クロロゲン酸類」。

2つの注目成分「ポリフェノールとカフェイン」

コーヒー

ポリフェノールとは、野菜や果実などの植物に含まれていて体の様々な機能を向上させ、いわゆる「体のさびつき」を防ぐ抗酸化物質。赤ワインのアントシアニンや緑茶のカテキン、大豆のイソフラボンなどもポリフェノールの仲間。

お茶の水女子大学大学院の近藤和雄教授は、首都圏在住の主婦109人を対象に調査を実施。食事や飲料からどの程度のポリフェノール量を摂取しているかを算出した結果「コーヒーからの摂取は47%と最も多く、日本人の代表的なポリフェノール摂取源であることがわかった」という。

近藤教授はさらに非喫煙女性を対象に調査し、1日にコーヒーを2杯以上飲む人は紫外線によるシミが少ないことがも確認している。効果的な目安は「1日にポリフェノールを1000〜1500ミリグラム摂取すること。コーヒーだけでとるなら3〜5杯ほど」という。

もう一つの注目成分はカフェイン。脳の活動を活性化したり、疲労感をほどよく抑えたりする作用があるうえ、内蔵脂肪の現象を促進するなどメタボの改善効果も期待できそうだ。

コーヒーと脂肪燃焼の関係について研究している東京慈恵会医学大学の鈴木政登教授は、コーヒー1杯を飲んだ後に30分間ランニングをする実験を行った。その結果「コーヒーを飲んで運動すると、通常よりもエネルギー消費量が高まり、その状態が5時間持続した」(鈴木教授)。カフェインをラットに投与した実験でも、体重と脂肪が減少することがわかった。

抗炎症や鎮痛作用 飲み過ぎは避けて

カフェインの「炎症を抑える作用」に注目するのは、東京薬科大学名誉教授の岡希太郎さん。「カフェインには抗炎症作用があり、肝臓や脳を炎症から保護することで、肝ガンやアルツハイマー病などの病気を予防できる可能性がある」と話す。カフェインは薬の成分としても使われる。鎮痛補助作用があり総合感冒薬に用いられるほか、偏頭痛の予防にも役立つという。

コーヒー研究家でもある岡さんは「ペーパードリップで10グラムの粉にゆっくりと湯を注ぎ約50ミリリットルほど出すと、有効成分を最大限に引き出せて、かつおいしいい」と話す。量が少なく冷めやすいのであらかじめカップを温め、濃すぎたら湯を入れて調整するとよい。

こうしたコーヒーの有効成分は、手軽な缶飲料などでも摂取できる。缶飲料、インスタントであっても、ともに焙煎した原料を抽出したコーヒーだ。

「クロロゲン酸類はコーヒーの生豆に最も多い。焙煎によって変化したクロロゲン酸そのものは減るが、抗酸化力は変わらない」とネスレ日本ウェルネスコミュニケーション室の福島洋一室長はいう。

妊婦は控えめに

一方で、飲み過ぎには注意が必要。「カフェインには胃酸の分泌を高める働きがある。胃酸過多の人は空腹時を避けるか、ミルクを加えると体内に吸収されるスピードがおだやかになる」(福島室長)。鈴木教授は「スプーン一杯程度の砂糖なら血糖値にほとんど影響を及ぼさない。脂肪燃焼効果を下げることもない」と話す。
ただカフェインの血中濃度が急激に高まると中枢神経系を刺激して、めまいや心拍数の増加、興奮、不安などにつながることもある。「10杯続け様に飲む、というような過剰な飲み方は避けてほしい」と鈴木教授は注意を促す。
さらに、妊婦のカフェインのとりすぎは出生児が低体重となり将来の健康リスクが高くなる可能性がある。妊娠中の人は、製造工程でカフェインを除いたコーヒーにするか、1日1〜2杯に控えるとよい。カフェイン抜きでも、クロロゲン酸類はしっかりとることができる。(日経ヘルス編集部)

目的別に時間を選ぶ

コーヒー豆

体のさびつきを防ぐ抗酸化作用を発揮するポリフェノール。その効果を生かすなら日中こまめに飲むといい。「夜間は睡眠中に分泌するメラトニンなどが活性酵素対策になる。紫外線によるダメージを受ける日中は、コヒーポリフェノールなどの抗酸化物質で対策をとるといい」(近藤教授)
またカフェインには体熱産生作用がある。薬膳カウンセラーの坂口珠代さんは「低血圧や低体温の人は、温かいコーヒーを朝に飲んで体にスイッチを入れる方法も有効」と話す。さらに活用したいのが日中の眠気対策。「疲れると脳では疲労物質がたまる。このときコーヒー飲むとカフェインが疲労物質の働きを抑制して眠気を防ぐ」と岡さん。そのうえ「昼寝の直前に飲めば、20〜30分後にしゃきっと目覚められる」という。コーヒーの効果を毎日の元気にうまく役立てよう。


(日本経済新聞 より 一部加筆)


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+α:コーヒーと糖尿病の医学

えっコーヒーって糖尿病にも●●なの?でもでもでもでも。。
国立国際医療研究センター 糖尿病研究連携部長 糖尿病研究部長 野田 光彦先生

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野田 光彦先生

コーヒーと2型糖尿病発症との関係について、2002年に、コーヒーを多く飲む人では糖尿病を発症する人が少ないという結果が、オランダのコホート研究所によってはじめて示されランセット誌に掲載されました。これによれば、1万7111人のオランダ人男女を平均約7年間追跡した結果、1日に7杯以上コーヒーを摂取する人では、2型糖尿病の発症に対する相対危険度が1日2杯以下の人の約2分の1になるという結論でした。

私たちも、「多目的コホート研究(JPHC研究)」の一部である葛飾コホートでの調査結果から、コーヒーをよく飲む人には血糖値が高い人が少ないという結果を得て、ランセット誌に追加報告しています。私達はこの地域の健康受診者で糖尿病と診断されていなかった4620人の空腹時血糖値について空腹時高血糖(空腹時血糖値110mg/dll以上で定義)の頻度を調査し、コーヒーを週に1回以上飲む人では、飲まない人に比べ、空腹時高血糖値となっているオッズ比が0.614と有意に低下していることを明らかにしました。

さらにJPHC研究全体でも、調査開始のコーヒー摂取量によって全体を郡分けし、その後の糖尿病発症(調査票での自己申告による)について年齢や糖尿病の家族歴などの既知の糖尿病リスク因子による影響を除く手法を用いて分析した結果、男女ともコーヒー摂取量が多いと糖尿病発症のリスクが低下する有意な傾向が認められました。この私たちの報告を含むコーヒー摂取と2型糖尿病の関係についての20の報告をまとめた解析では、コーヒー摂取がその後の糖尿病発症との負の相関を示すという結果が示されており、全体では1日3〜4杯のコーヒーを飲むことにより糖尿病発症リスクが約25%減少していました。

コーヒーには、カフェインのほかに、クロロゲン酸やマグネシウムが多く含まれています。カフェインが糖尿病の発症予防に関与している可能性もある程度示唆されますが、カフェイン以外の成分に糖尿病の発症を抑制する働きがある可能性も大いに想定されます。ただし、コーヒーには、膀胱癌(膀胱から発生する上皮性悪性腫瘍)のリスクを増加させ、また、虚血性心疾患(冠動脈の閉塞や狭窄などにより心筋への血流が阻害され、心臓に障害が起こる疾患の総称)がある場合の心筋梗塞の発症、妊婦の摂取による流産・早産の増加、腎不全患者での高カリウム血症といった好ましくない側面もありますので、十分な留意が必要です。

(「東京意志歯科医師協同組合 TMDC MATE 2012 9 No.272」 より 一部加筆)


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