PEST分析「マクロ環境」を形成する「外部環境要因」についてビジネスフレームワーク
経営戦略を立案するにあたって企業は、企業を取り巻く環境を考慮しなければならない。
環境は一概にひとつではなく大きく3つに分類することが出来る。
3つの環境とは「マクロ環境」「産業レベルの環境」「内部環境」となる。
本ページでは、その中でも企業に最も影響を与えやすい「マクロ環境」についてまとめております。
戦略を考えるにあたり、お役に立てば幸いです。
経営戦略
■ 経営戦略の立案で考慮する企業を取り巻く3つの環境
(1)マクロ環境
(2)産業レベルの環境
(3)内部環境
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「マクロ環境」とは、事業の外部環境のうち、企業にとって統制不可能、つまり業界内の各企業とは無関係に起こっているものをいいます。「マクロ環境」は、具体的には4つの外部環境要因にわけることができます。
PEST(Politics【政治・法律的環境要因】・Economy【経済的環境要因】・Society【社会的環境要因】・Technology【技術的環境要因】)。
これら4つの外部環境要因を分析するフレームワークは、PEST分析と呼ばれる。
長期的な事業を行うにあたって組織は自らの活動の場を形成する外部環境要因を理解し、定期的に動向に目を配り、組織活動に影響する変化を検討し、戦略をたてる必要があります。
また、海外に事業を進出する場合でも、現地の状況をPEST分析することでカントリーリスクを知ることができます。
マクロ環境の意味とは
■ 企業活動に影響を与える外部環境要因
・ Politics【政治・法律的環境要因】
・ Economy【経済的環境要因】
・ Society【社会的環境要因】
・ Technology【技術的環境要因】
以下項目にて、4つの外部環境要因についてまとめています。
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・ Politics【政治・法律的環境要因】の意味とは
法律や規制、税制などは国や地方自治体レベルの決定事項が企業に及ぼす影響。具体的には、法律改正・政権交代・外交・裁判制度・判例など。企業の力は及ばないが、企業活動に多大な影響を与えるという特徴を持っている。
(例)改正薬事法でネット販売が規制され、一部の医薬品販売は禁止された。
【Politics【政治・法律的環境要因】の気にするポイント】
企業は法律や税制の改正動向を注視し、新たな法律が施行された場合は、市場に対して・自社に対してどのような影響を与えるのかを事前にシミュレーションしておく必要がある。
政治・法律的環境要因は企業では制御できない前提条件と言える。
また、条件に対してメリットとデメリットを理解し戦略に生かさなければ、結果を出す可能性は低くなる。
・ Economy【経済的環境要因】の意味とは
景気動向や投資環境、国の財務体質。具体的には、GDP成長率の増減や消費の動向・失業率・日銀短観・株価・金利・為替レートの変動・鉱工業指数などが企業に及ぼす影響。
(例)(為替レートの変化を考えると)円高になれば商品を輸入している企業にとっては売上の増加につながる。一方、商品を輸出している企業にとっては売上の減少につながる。
【Economy【経済的環境要因】の気にするポイント】
輸出入に関わりのない企業でも、何かサービスを生み出すにあたり、モノ(食品・機材・資材・燃料など)を購入してサービスは成り立ちます。モノの購入においても景気動向の影響を受け原価は変化します。
そのため、経済的環境要因の定義は幅広いものといえます。
・ Society【社会的環境要因】の意味とは
社会環境や消費者のライフスタイルの変化が企業に及ぼす影響。具体的には、文化の変遷・人口動態・教育・宗教・世間の関心など。
(例1)少子高齢化は、子供が減り、高齢者が増えます。そうすると学校経営が苦しくなる一方、老人ホームや介護ビジネスが伸びます。
(例2)未来の予想としては、海外からの若い人材の受け入れにより労働力の向上が見込まれる一方、様々な国の人たちが入ってくるということは文化・価値観が大きく変化する可能性があります。
(例3)税金が上がり、年金の支払いは後おくりになります。これはニュアンスが微妙で、愚痴っぽいですが。
【Society【社会的環境要因】の気にするポイント】
社会は人や文化が相互に結びついて形成されるため変化し続けます。
事業は社会の現状を理解し、さらに先を予想し準備する必要があります。
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・ Technology【技術的環境要因】の意味とは
技術革新によって、製造工程・製品技術や広告手法などが変化し企業に及ぼす影響。
(例)2010年よりスマートフォンの普及により外出先からでも気軽にインターネットへアクセス出来るようになった。企業側はよりサービスをインターネットを通じて紹介する機会が増えた。インターネットの普及によりユーザー同士のソーシャルメディアでの交流が盛んになり広告よりも友人のおすすめを信頼するというユーザーが増えてきている。
技術革新により新たな効果を上げる手法が続々と登場している。
【Technology【技術的環境要因】の気にするポイント】
技術的環境要因の分析では、最新の技術に対して下記のよう考える必要がある。
まず、「自社のビジネスにどのように取り込むことができるのか」。
また、「自社のビジネスに対する顧客が望んでいる技術はどのようなものなのか」。
そして、「取り込んだ場合、どのような影響があるのか、そして今後どのように運用していくのか」。
最新技術の調査・想定・分析・テストして自社のマーケティング戦略に組み込んでいく必要がある。技術的環境要因の定義は、経済的環境要因と同様に幅広いものといえます。
最後に、PEST分析で大事にしたい4つのこと
1.【客観的な事業の分析】
PEST分析は、一般的な環境を分析するのではなく、(自社の)事業に関わる環境を見なければならない。
2.【現在と未来の分析】
PEST分析は、現在だけではなく何年か先の未来を予想しなければならない(長期的な事業戦略にならない・短期的な事業戦略シフトにすると無駄な動きが生じる・事業戦略の変更が頻繁だとブランドイメージが固定しづらい)。
3.【分析がゴールではない】
PEST分析は、環境を分析・理解するだけでは効果は上がりません。環境に対して何をすれば効果的なのか、事業に対しての戦略を練り実行しなければ結果は生み出せません。
4.【実施後の改善】
PEST分析にもとづき、戦略を実施したら定期的に効果を検証する。予想した効果が期待できない場合は、何が問題なのか抽出し新たな改善案を考察し実施しなければなりません(期待した効果が出ている場合でも、改善しさらに利益を追求しなければ経営とは呼べない)。
と私は思います。
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参考「1日3分で身につけられるMBA講座」「ミツエーリンクス」「All About」「誠 Biz.ID」「ウィキペディア」
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