名言・格言『糸井重里さんのコピー』一覧リスト
糸井 重里(いとい しげさと)さん。日本のコピーライター、群馬県前橋市出身。エッセイスト、タレント、作詞家。様々な仕事をしている糸井さん。
最近あらためてコピーを眺めていたら楽しくなってしまい、簡易ながらまとめてみました。
糸井さんのコピーを読むと、言葉の組み合わせ方、ニュアンスづけのセンスが光ります。一見スマートに見えるが、ウィットと茶目っ気のあるスタイルには、憧れを抱かずにはいられない。
以下、気になる言葉(コピー 51)になります。発想の一助になれば幸いです。
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糸井重里さんのコピー 一覧
くう ねる あそぶ
【日産自動車 セフィーロ】
尊敬して止まない糸井さんの仕事の中でも、相当好きなコピーです。「食っちゃ寝ぇ〜」という情けない怠惰な言葉に「あそぶ」と付けたことで、市民権を与えたというか、むしろ、小粋な生活シーンのように変えてしまった。まさにコピーマジック。さらに、井上陽水が出てきて、「お元気ですか〜〜」とセフィーロの窓を開けて、ご挨拶されて。「くうねるあそぶ」が、ちょっと不思議で、かなりかっこいいライフスタイルに変身してしまったから、恐ろしい。
(佐々木宏さん)
ロマンチックが、したいなぁ。
【サントリー・レッド】
あったかい夜をプリーズ。
【サントリー・レッド】
A・B・C・Dのうちで、あなたに当てはまる部分をお読みください。
【ペリエ】
おとなもこどもも、おねーさんも
【ゲーム MOTHER2】
いまのキミはピカピカに光って
【ミノルタ MINOLTA X-7(宮崎美子さん出演)】
TRAiNG
【東日本旅客鉄道】
よろしく。
【矢沢永吉さん・ポスター】
このジャンパーの良さが わからないなんて、 とうさん、あんたは不幸な人だ!
【トーメンアパレル WELDGIN】
キミと、はじめて 「あんなこと」になった頃。
まだ、このジーンズも、 恥ずかしいほど、青かった。
暗がりで、ゴワゴワ、 音なんかしちゃってサ。
【トーメンアパレル WELDGIN】
やたッ。
【RCサクセション・ポスター】
人間だったらよかったんだけどねぇ。
【学生援護会 日刊アルバイトニュース】
いま、どのくらい「女の時代」なのかな。
【西武流通グループ】
サラリーマンという仕事はありません。
【西武セゾングループ 求人】
このコピー以後、わたしは「サラリーマン」という言葉を使うとき、慎重になりました。
たくさんのコピーに触れてきたけれど、こういう経験はなかった。イトイはスゴイ。
(仲畑貴志さん)
オランジェ・デ・キドル
【資生堂・レシェンテ】
本当の主役は、あなたです。
【日本テレビ『24時間テレビ』番組内コピー】
昼間のパパはちょっとちがう 昼間のパパは光っている
昼間のパパはいい汗かいてる 昼間のパパは男だぜ
【清水建設】
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新潮社のコピー
想像力と数百円
【新潮社 新潮文庫の百冊】
青空は、史上最大の読書灯である。
夏休みになって気がついた。あたり前のことに気がついた。夜読むばかりが本ではない。電気もランプもない時代、ちゃんと書を読む人がいた。そいつをすっかり忘れてた。― 想像力と数百円。新潮文庫の百冊。
私は日本の数々のコピーの中で、このコピーがいちばん好きです。好きというか、変な表現ですが 尊敬しています。このコピーを初めて目にした時、もしも日本が極端にインフレにならない限り、永遠に文庫本のショルダーコピーになるだろうと思いました。そして「想像力」という言葉が、まさに文庫本から知性への誘いになっていると思いました。
(小野田隆雄さん)
十年後の夏、また泣いた。
【新潮社 新潮文庫の百冊】
拳骨で読め。乳房で読め。
【新潮社 新潮文庫の百冊】
インテリげんちゃんの、夏やすみ。
【新潮社 新潮文庫の百冊】
若い人のために解説しておくと、「インテリ(知識人)」の語源になったのが「インテリゲンチャ」というロシア語で、それをもじったこのコピーは当時、そういう「インテリかそうじゃないか」などという堅苦しい考えを鼻で笑うようなカッコよさを発揮していた。そういうカッコよさが、当時の若者を「何気にどこかへ導く」文庫本という存在と絶妙にマッチしていた。「広告なんてもうカッコいいもんじゃない」などと片付けてしまうのは間違いで、今もって商品との噛み合わせ次第で、広告は人々の気持ちのエンジン役にいくらだってなれるはずだと思う。
(前田知己さん)
パルコのコピー
僕の君は世界一
【パルコ・ポスター】
選ばせていただいている身でお恥ずかしいのですが、なんとなくカッコいいから好き、という理由なんです。いろいろ理由をつけると、「君は僕の世界一」というのが筋なところを、語順を変えて「僕の君は」としたことで「僕の」という意識が強まるのと、「君は世界一」と続くことで君が素敵という感じが強くなるとか、正しいかどうか自信ないのですがきっとあると思うのですが、すみません、なんとなくカッコいいぞ!こういう言葉!というのが好きな理由です。いいコピーっぽい、というか。深い理由があるかもしれないのに、怒られるかなぁ。でも何となくってすごく大事だと思います。もう一度謝ろう、すみません。
(澤本嘉光さん)
本読む馬鹿が、私は好きよ。
【パルコ・ポスター】
あそんでねむれ。
【パルコ・ポスター】
エブリバデ、大統領ッ。
【パルコ】
男は先に死ぬ。
【パルコ】
「男は先に死ぬ。」だからどうなんだ?と考え分析するコピーじゃないと思います。その時代の空気で、その時代を敏感に呼吸しているパルコが、「男は先に死ぬ。」というコピーを投げた。私たちはそれを肉体的にキャッチし、男も女もそれぞれに何か感じとるのみ。パルコというフレームの中で語られる「死」は、なんだか生命力があふれていました。
(児島令子さん)
西武百貨店のコピー
じぶん、新発見。
【西武百貨店 1980年】
不思議、大好き。
【西武百貨店 1981年】
広告はその時代や社会の総意から逸脱することはできない。モノを売るためにのコミュニケーションという性格上、受け手である消費者の多数決において多数をもって選ばれなければならず、つまり彼らの興味のないことや関知しないことはコピーとしてはふさわしくないという結論になる。決してこのフレーズの目新しさのみがウケたわけではなく「不思議ってワクワクするよね」という消費者の合意があったから、このコピーは絶賛された。時代の空気(ハズカシ)、などというと一昔前の業界人みたいであとに言葉を続けにくいが、コピーライターとは自分の意見を吐き出しているのではなくて、時代の空気(ハズカシ)に書かされていることもあるのではないかと、このコピーを見て思うこともある。
(山本高史さん)
おいしい生活。
【西武百貨店 1982年 - 1983年】
この時代の西武百貨店。カッコ良かったです。言葉を持っていると感じられる百貨店でした。若者の普通の言葉を持っていましたね。その言葉を作っていたのはコピーライター。時代も元気だったのでしょう。バブルに向かってときのほうが、時代は元気なんですよね。おいしい生活、とウディ・アレンさんが自筆で書いた筆文字がこの上なくチャーミングだった。
「おいしい」も「生活」も普通の普通の言葉なのに、こう組み合わされたときに、ふいに生き生きしはじめて。「おいしい」も「生活」も新しい言葉になった。いつもの言葉の垢を落として、生まれ変わらせる。これこそが言葉の使い手の仕事です。
(安藤隆さん)
広告業界の地位と、コピーライターの地位を上げた偉大なるコピーとも言えますね。コピーは、いいこと言ってるなあ系と、うまい言い方するなあ系にわかれますが、この WHAT VS. HOW の両方で、ひとり勝ちしているのが「おいしい生活」だと思います。座右の銘コピーです。
(佐々木宏さん)
■ 「ほぼ日刊イトイ新聞」糸井重里さん著 より
「おいしい生活」というコピーをつくったのは一九八二年のことだったけれど、そのころの「よりよい生活」という概念に対して、もうそういう時代じゃなくなっているよ、というメッセージを放り投げたつもりだった。
いつでも、人の暮らしている世の中ってやつは、学者やマーケッターたちが考えるよりも先を行っている。現実にはすでにはじまっていることや、現実に人々が感じていることを、「研究者」たちがまとめ上げて解説したりすると、その説明を聞いて安心した多くの人が、あとをついてきて市場は大きくなっていく。
ただ、みんなが同じように考えるわけでもないし、世の中の大きな流れになっていないけれど魅力的な考え方があるものだ。
そういう小さくて見過ごされそうな、しかもチャーミングな考え方は、プロフェッショナルを自称している人間にはだんだん見えにくくなっていくものなのだ。
うれしいね、サッちゃん。
【西武百貨店 1984年】
狩人か。旅人か。
【西武百貨店 1984年】
情熱発電所
【西武百貨店 1985年】
元禄ルネッサンス
【西武百貨店 1986年】
じゃない。
【西武百貨店 1987年】
ほしいものが、ほしいわ。
【西武百貨店 1988年】
ほしいものはいつでも
あるんだけれどない
ほしいものはいつでも
ないんだけれどある
ほんとうにほしいものがあると
それだけでうれしい
それだけはほしいとおもう
ほしいものが、ほしいわ。
各行の語尾に注目すると、
「いつでも」「ない」、「いつでも」「ある」、「あると」「うれしい」、「おもう」「ほしいわ。」となる。
文章の流れから、語感まで洗練された言い回しだと思うのです。
より道主義だ。
【西武百貨店 1989年】
いいにおいがします。
【西武百貨店 1990年】
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スタジオジブリ作品のキャッチコピー
このへんないきものは まだ日本にいるのです。たぶん。
【映画 となりのトトロ】
コピーは当初、「このへんな生きものは、もう日本にはいないのです。たぶん」だったが、宮崎駿監督の意向により現在のものに変更されたそうです。
4歳と14歳で、生きようと思った
【映画 火垂るの墓】
忘れものを、届けに来ました。
【映画 となりのトトロ/火垂るの墓】
確か、当時は「となりのトトロ」「火垂るの墓」が同時上映されていた。
共通のキャッチコピーとして「忘れものを、届けに来ました。」は使われていたそうです。
おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。
【映画 魔女の宅急便】
私はワタシと旅にでる。
【映画 おもひでぽろぽろ】
カッコイイとは、こういうことさ。
【映画 紅の豚】
タヌキだってがんばってるんだよォ
【映画 平成狸合戦ぽんぽこ】
好きなひとが、できました。
【映画 耳をすませば】
生きろ。
【映画 もののけ姫】
家内安全は、世界の願い。
【映画 ホーホケキョ となりの山田くん】
トンネルのむこうは、不思議の町でした。
【映画 千と千尋の神隠し】
猫になっても、いいんじゃないッ?
【映画 猫の恩返し】
ふたりが暮らした。
【映画 ハウルの動く城】
見えぬものこそ。
【映画 ゲド戦記】
コピーだけじゃない
近年の「節約」志向に、やや異議がある。(日本経済新聞より)
消費は恋愛に似ています。どとらも矛盾があり、喜びがあり、生きることそのもの。不要だからと削っていくと、魂も小さくなる。
消費の喜びは、ものと心の掛け算にあります。バブルのころは、本当に欲しいものじゃないから、代わりに量をいっぱい買っていたんでしょう。大量生産、大量販売に豊かさはない。再現できないもの、人の思い、丁寧な仕事、長い時間や歴史、ものに込めた世界観。それが価値なんです。僕らが提供していくのはそういうものです。
その良さを伝えるためにこそ、自分の言葉を使っています。僕はもう広告のコピーの仕事はしていないけど、言葉やアイデアで価値を増やすという意味では、生涯コピーライターのつもりです。
「資本主義の犬」「1行100万円(の楽な仕事)」など、いろいろ言われてきました。でも悪口は誰の価値も増やさない。「ペンは剣よりも強し、だから武器よさらば」。攻撃のための言葉ではなく皆の価値を増やす言葉を、現場から紡いでいくつもりです。
ほぼ日刊イトイ新聞
一般にほぼ日(ほぼにち)と略されており、サイト内での通称としても公称されている。元来、日刊では更新の精神的プレッシャーやコンテンツ的にも厳しいと考えた糸井さんの案で、余裕を持たせて「ほぼ日刊」と称してはいるもの、発足した1998年6月6日午前0時(バリ島時間)のサイト開設以来、毎日何らかのコンテンツが更新されている。
コンテンツは業界、ジャンルを問わない著名人から、一般人まで幅広い層の人物が執筆を手がけている。また、糸井重里さん自身がゲストを招き、対談を行うコンテンツも多様な業界の人物が訪れる。登場した人物の一例として、明石家さんまさん、荒俣宏さん、イチローさん、川上弘美さん、坂本龍一さん、さくらももこさん、萩本欽一さん、鈴木敏夫さん、立川談志さん、谷川俊太郎さん、タモリさん、矢沢永吉さん、松本人志さんなど。
グッズとして、多くの企画商品を開発と販売を、大手のメーカーと協力して行っており、Tシャツ、カレンダー、綴じ手帳、土鍋など多岐に渡る商品制作が行われている。特に「ほぼ日手帳」と呼ばれる綴じ手帳は、サイト黎明期からユーザーの様々な意見を取り入れ完成された人気グッズとなり、「進化する手帳」として現在でも毎年改良を重ねながら販売され続けている。
言いまつがい
ほぼ日刊イトイ新聞読者から投稿・応募された恥ずかしい「言いまちがい」を「言いまつがい」と称し、それを皆で共有し楽しむコンテンツとして誕生した。
書籍化されていますので、お手軽にいつでも気軽に読むこともできます。
電車の中で読むと、突然笑い出し、周囲の人たちから冷ややかな目で見られるので注意が必要です。
新潮文庫:「言いまつがい」「金の言いまつがい」「銀の言いまつがい」
装丁は、祖父江慎さん。挿絵は、しりあがり寿さん。豪華な本です。
ちょっと一例
知り合いの結婚式に行ったとき、新郎のお父さんがスピーチの前に神妙な面持ちで、
「いまだ半人前の2人ですが、2分の1かける2分の1が1であるように、お互いを支えながらがんばってくれると信じています」
とのたまった。
かけ算したら4分の1になっちゃうぞ。
「ほぼ日刊イトイ新聞の本」より(書くということについて)
気をつけていることはあまりないが、あえて言えばこうなる。
一、誰が言っても同じことをできるだけ避ける。
ニ、わからないことはわからないまま書く。
三、あまりにもつまらんと思ったら、もうひとつ書く。
Only is not lonely.
たった一人であることは、孤独ということではない。
自分と同じことを考えている人が世界のどこかにいる。
そう考えると、たしかに人と人は繋がっているのだと思える。
そう考えると、勇気がわいてくる。
参考「ウィキペディア」「日本のコピーベスト500(宣伝会議)※とても面白い本ですので機会があれば是非おすすめです」
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